提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


業界初の直進キープ機能付き田植機で密播苗移植作業を実施(秋田県能代市)

2017年06月14日

 平成30年産米から米の生産調整が廃止されることにともない、各県では実需ニーズに対応できる低コスト稲作を推進する必要に迫られている。
 秋田県でも多収性品種を導入した低コスト・省力化技術やICTを組み合わせ、30ha規模を1ユニット(田植機・コンバインを各1台)とした経営体による生産コスト9,000円/60kgの稲作経営モデルを確立していくこととしている。
 この取り組みの一環として、全国農業システム化研究会事業による、密播苗移植栽培技術の実証調査に取り組んでいる。


 5月22日、直進キープ機能付き田植機(EP8D-GS)を利用した密播苗移植作業の実演会が、秋田県能代市の実証調査圃場で行われた。
 直進キープ機能付き田植機は、昨今の高齢化にともなう離農や、担い手農家への農地集約による規模拡大を図るうえで、機械作業に多少不慣れでもまっすぐ植えることができるため、作業の効率化、また、委託作業による作業者への負担軽減に期待がもたれる。さらに、天候不順により圃場内が湛水状態でも、自動操舵のため、水位に影響を受けず、計画的に作業が行いやすい利点がある。


 密播苗移植栽培技術は、従来に比べ、10a当たりの使用苗箱数を大幅に削減することができるため、育苗スペースの確保が容易となり、育苗資材費や作業時間を減らすことが可能となる。さらに、(株)クボタ製の田植え機の場合、従来の田植え機に苗クリーナーと苗スライドストッパを取り付けるだけの少ない投資で対応できるため、農家の負担も少なくて済む。

 当日は、管内の普及指導員、県の普及関係機関、JA、資機材メーカー、報道、近隣農家等、約70名が参加し、田植え作業を見学した。


【実証圃概要】
面 積:48a
品 種:あきたこまち
播種日:5月1日(21日苗、慣行:32日苗)
播種量:250g(慣行:160g)
栽植密度:60株/坪
予定使用箱数:10~12箱/10a(慣行:20箱/10a)
目標収量:570kg/10a


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天気も良く、多くの人が参加した


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除草剤のトップガンGT(左)と、殺虫殺菌剤のDr.オリゼフェルテラ(右)を田植え同時で処理をした


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左 :実演会ということもあり、両手をあげた状態で直線キープ機能のデモンストレーションを行う(実作業は安全に留意して行っています)
右 :GPSにより、まっすぐに田植え作業を行える


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左 :播種量250gの密播苗
右 :1株当たり4~5本設定で移植


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左 :安全を考慮し、外周は手動による作業
右 :通常の移植作業以上のできばえに仕上がった


 密播苗移植栽培では、箱数減少により、1株あたりの箱施用薬剤成分量が減るため、薬剤の効果や持続性が問題となる可能性が課題としてあげられる。今後、より一層の普及が考えられることから、農機メーカー、薬剤メーカー含め、ともに課題解決へ向けて検討していく必要があると考えられる。(みんなの農業広場事務局)