提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


飼料用米「夢あおば」における高密度播種育苗による移植作業(茨城県水戸市)

2017年05月17日

 肥沃な水田地帯が広がる茨城県水戸市の常澄地区では、近年、担い手への農地集積が進み、育苗面積や労力の軽減、春作業の分散化などのため、省力・低コスト技術の確立・普及が求められている。
 そこで、水戸市を管内とする茨城県水戸地域農業改良普及センターでは、全国農業システム化研究会の事業を活用し、農事組合法人アグリ平戸の協力を得て、乾田直播栽培及び高密度播種育苗による移植栽培の実証調査に取り組んでいる。

 5月2日には、(農)アグリ平戸の圃場(26a)において、高密度播種育苗による移植作業が行われた。


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当日は、実証調査関係者が参集し、移植作業を行った


 高密度播種育苗は、飼料用米品種「夢あおば」では地域慣行で育苗箱1箱あたり180~220g程度播種するところを、250~300g播種することで、1枚の苗箱でより多くの苗を移植し、さらに育苗期間を20日程度に抑えることで、苗箱数、育苗日数の低減が期待できる。
 今回の実証調査では、「夢あおば」の播種量は1箱あたり300g、播種日から21日で移植を行った。株間を21cmに設定し、1坪あたり50株、10aあたり11箱をめざす。


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育苗箱1箱あたり300gを播種。育苗期間21日で、根がぎっしりで上々の苗が育った


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(株)クボタの8条植田植え機「RACWEL EP8D」を使用。植付爪の苗掻き取り量を調整し、1株当たりの掻き取り苗数を4~5本程度に調整した


 移植作業には、苗クリーナーと苗スライドストッパを取り付けた、(株)クボタの8条植田植え機「RACWEL EP8D」を使用した。従来の田植え機で高密度播種育苗に対応が可能なことは、メリットの1つに挙げられる。
 植付爪の間にたまる土を除去する苗クリーナーは、密度が高く根が絡みやすい苗が詰まることを予防。また、密度が高いことから苗床が薄めに作られているため、苗スライドストッパで苗のヨレを防ぐとともに、苗を少し浮かせることで摩擦を抑え、スライドしやすくしている。


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苗クリーナー(左)と苗スライドストッパ(右)


 当日、圃場には春の嵐を思わせる強風が吹きつけたため、入水を控えることで浮き苗に注意した。欠株もほとんど見られなかった。


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左 :移植作業後の圃場
右 :使用した箱数を調査する茨城県農業総合センターの眞部徹専門技術指導員(中央)


 水戸地域農業改良普及センターでは、使用した箱数や作業時間等を調査し、さらに今後、収量や品質などの調査を行うことで、経営メリットや収益性の改善効果などを検討していく予定だ。(みんなの農業広場事務局)