提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


水田転作野菜の排水対策に関する実演会を開催(青森県八戸市)

2016年07月26日

 近年の米価低迷の状況の中、水田転作野菜の作付けが増えてきている。しかしながら、基盤整備の進んでいない水田では、排水不良ほ場での作付けを余儀なくされ、収量・品質の安定が課題となっている生産現場も多い。
 このような中、青森県三八地域県民局地域農林水産部農業普及振興室では、土壌物理性改善、明渠施工、高畦栽培等、徹底した排水対策・湿害対策によるタマネギおよびロマネスコの安定生産技術に関する実証調査を、全国農業システム化研究会の実証事業として取り組むこととし、あわせて、畦内施肥や半自動移植機による経費削減、労力削減効果も検証する。

 6月29日、八戸市市川町の実証ほで、生育状況を確認しながら、現地検討と実証作業機械の実演会が行われた。


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 :実証内容の説明をする青森県三八地域県民局地域農林水産部農業普及振興室の小島主幹
 :当日は、青森県普及組織関係者、JA関係者、生産者等約20名が参加


 実証ほは、基盤整備が行われていない水田で、地下水位が高く、作土層も20~25cm程度と浅い。このような条件の悪い水田を畑地化し、水田転換初年度から野菜栽培を可能とするため、以下のような作業を実施した。


3月15日 バーチカルハローによる土壌粉砕、水田プラウによる表土耕転
4月1日  バーチカルハローによる土壌粉砕、溝切り機による明渠施工
4月12日 堆肥散布、ロータリー耕
4月20日 土壌改良資材散布、ロータリー耕
5月8日  ロータリー耕(土壌砕土のため)


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 :実証ほでは、同一ほ場でロマネスコとタマネギを栽培
 :溝掘り機(スガノ農機 DT251)による明渠は、深さ約20cmでほ場周囲に施工


 湿害対策効果を検証するために、実証ほでは、畦高30cm区と40cm区の2区を設け、高畦でタマネギとロマネスコを栽培している。畦立て作業は、畦内施肥機+高畦成型機+マルチャーの同時作業により、省力的に行う。
 以降の作業は以下の通り実施している。


5月9日  畦内施肥・耕起・畦立て・マルチング同時作業(畦高30cm区、40cm区)
5月10日 半自動移植機によるロマネスコ定植
6月1日  タマネギ定植(手植え)


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 :畦内施肥機+高畦成型機+マルチャーの同時作業機。肥料はフロントに搭載されたグランドソワー(タイショー UH70F)で散布
 :試験用高畦成型機(鋤柄農機製)で40cmの高畦立と同時にマルチを行う。畦高30cm区ではにんにく用畦成型機(筑波工業 RT350-4)で実施済み


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 :半自動移植機(クボタ ベジライダー KP201HL)でロマネスコを定植(写真の苗は実演用のキク苗)
 :6月29日現在のロマネスコ生育状況。畦高30cm区(左)と畦高40cm区(右)とで大きな差はなく、両区とも順調であった


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 :6月29日現在、実証ほのタマネギの生育は順調であった
 :排水対策等を行わなかったタマネギ(参考区)は湿害により生育が悪い


 今回の実証により当地での安定生産技術が確立できれば、他品目と労働力が重ならずに、夏場の収入が見込める露地野菜の導入が可能となるため、現地の期待は大きい。全国の水田転作野菜に取り組む産地の参考にもなると思われ、今後の成果に期待したい。(みんなの農業広場事務局)