提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


目標収量780kg/10aを目指した飼料用米の鉄コーティング湛水直播栽培の実証調査(長野県上伊那郡南箕輪村)

2015年05月25日

 近年需要の広がる飼料用米の生産においては、省力かつ低コストでの生産が求められている。このため、長野県上伊那農業改良普及センターでは、鉄コーティング湛水直播栽培と側条施肥による基肥一発肥料の施肥方法を検討し、地域内の畜産農家と耕畜連携を推進することとし、全国農業システム化研究会事業を活用した実証調査に取り組んでいる。


 5月11日、背後に中央アルプスの山々を望む、標高700mを越える現地実証圃場で、播種作業(実証区)と移植作業(慣行区)の実演会が開催された。当日は、長野県普及関係機関、JA関係者、資機材メーカー、生産者等、約35名が参加した。


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 :中央アルプスを望む南箕輪村で実演会が開催された
 :地元テレビ局も含め多くの参加者が鉄コーティング湛水直播への理解を深めた


 調査区の設計は以下の通りで、供試品種は長野県で育成された「ふくおこし」。中生の早の熟期で、耐倒伏性に優れ、いもち病に強く、直播適性の高い多収品種だ。


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 今回注目を集めたのは、発売前の新型播種機だ。播種と同時に殺虫殺菌剤の散布も可能となり、一層の省力化が期待できる機械となっている。従来までの播種、側条施肥、除草剤散布、溝切りの4役に加え、殺虫殺菌剤散布を含めた1台5役を実現している。今回の実証では、イネミズゾウムシ対策として「スタウトダントツ箱粒剤」を散布した。


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 :クボタ 鉄コーティング用直播専用機(WP60D TC)に殺虫殺菌剤散布機(土中くん)を搭載した実演機
 :殺虫殺菌剤は土中に散布され、覆土後、真上の位置に種籾が表面播種される
=殺虫殺菌剤散布部、=側条施肥部、=播種部


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 :試験設計内容の説明をする上伊那農業改良普及センターの宮下技師
 :種籾、肥料、除草剤、殺虫殺菌剤は事前に繰り出しテストを行い散布量を調整


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 :柔らかい圃場条件であったため、慎重に播種作業を行った
 :おおむね予定通りに作業は完了した


 実証区の施肥体系を2区に分け、施肥の違いによる生育や収量も確認する。また、立毛乾燥も行い、多収とともに可能な限りの低コスト化をめざした実証となる予定だ。

 実証担当農家の唐沢俊男さんは、「これで本当にうまく生産できるのであれば、飼料用米はすべて鉄コーティング直播にしたい」と期待を寄せる。(みんなの農業広場事務局)