提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


中山間地域の小圃場で小型直播機による鉄コーティング直播実演会(長野県長野市)

2012年05月28日

 農作業の軽労化、省力化に向く技術のひとつに稲の鉄コーティング直播があげられるが、小型播種機がなく、それが中山間地での普及が進まない理由のひとつとなっている。

 中山間地を多く抱える長野県内では昨年(平成23年)度、鉄コーティング直播栽培を行った19戸30カ所の圃場約9haで平均520kg/10aの収量を上げ、中には600kgを超えたところもあった。今年度は県内40カ所で総面積が14haに増えることもあり、今後も「普及すべき技術」ととらえられている。


 5月16日、長野県長野市中条にある溝口孝幸氏の圃場(6a)で、鉄コーティング直播による播種実演会が行われた。全国農業システム化研究会の実証調査により、移植栽培と生育・収量・収益性を比べる試験を行うもの。

 中山間圃場用の4条小型鉄籾専用播種機(6月に(株)クボタから新発売)を使い、点播による播種同時除草剤散布を行った。小回りよく、30分程度で作業を終えた。


  
 :4条小型鉄籾専用播種機
 :鉄コーティング種籾を機械にセット


  
 :実演会前の説明
 :圃場の提供をする溝口孝幸氏


 播種の株間は18cm、1カ所に点播される粒数は6~7粒。点播ではイネが株となり、支えあって倒伏しにくくなる利点がある。播種同時の除草剤はサンバード粒剤を使用した。使用した種もみは3.5kg/10a(乾籾)、除草剤は3kg。
 作業終了後に播種量及び散布量の確認調査を行ったが、いずれも設定通りであり、作業精度は高かった。
 また、後方に取り付けた溝切り機で溝をつけたため、圃場の排水性が上がる見込み。


  
 :実演作業
 :後方の溝切り機


  
 :点播された種籾
 :総出でカモ侵入防止の網張り


 同圃場の設計(今後の予定含む)は以下のとおり。
 ・代掻きは播種4~5日前、落水は播種2日前(播種前日の降雨予報により、予定より一日早く落水)
 ・播種時の土壌状態は、「硬すぎず、やわらかすぎず」
 ・播種後入水し、自然落水後は出芽まで落水状態
 ・出芽後入水、イネ1葉期に除草剤(トップガンLジャンボ)を散布
 ・殺虫剤(6月上旬)、殺菌剤(7月上旬)穂肥散布(7月下旬)、収穫(9月下旬)


 溝口氏の圃場では2年目の取り組みであるが、昨年は発芽期にカモが侵入して食害による欠株や、排水不良による倒伏があったため、今回は播種後に侵入防止の網を張った。
 また、隣接する同氏の別圃場では同日、鉄コーティング稲の散播も行われ、収量等を比較する予定。(みんなの農業広場事務局)