提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


「耕作放棄地の再生・活性化を考えるフォーラム」開かれる(愛媛県松山市)

2008年12月16日

 耕作放棄地は日本全国で年々拡大し、今や、埼玉県の面積に匹敵する38万haに及ぶという。21年度からは、国を挙げて「耕作放棄地再生」へ取り組むこととなり、農地の有効利用や地域活性化の観点からも、農政の重要な課題のひとつとなっている。

 12月12日、「耕作放棄地の再生・活性化を考えるフォーラム」※1 が愛媛県松山市で開かれ、愛媛県を中心に、中国四国地方から関係者約200名が参加した。


 第1部は、愛媛県立農業大学校の機械研修場での現地研修で、耕作放棄地復元のための農業機械の展示・実演をおこなった。


  


 (株)クボタが、本年度から耕作放棄地の再生・復元へ支援をおこなっている「クボタeプロジェクト」で培った機械作業の中からノウハウを説明。1)草刈作業、2)集草・梱包、3)排水・管理、4)肥料散布、5)反転・耕起の順に、実際に畑地や法面を使って、作業と作業機の説明と、機械作業を実演した。


  


  


 第2部は、松山市総合コミュニティセンターに会場を移しての検討フォーラムで、最初に、佐々木明雄・長野県山ノ内町農業委員会会長が「遊休農地の発生防止・解消及び地域活性化に向けて」と題して、基調講演をおこなった。


三善浩二・中国四国農政局農村振興課長  佐々木明雄・長野県山ノ内町農業委員会会長 


 「必要なのは、行動する農業委員。人口1万2000人の山ノ内町には、議員は12名なのに、農業委員は20名いる。農業委員が一番地域のことが分かり、農業者と行政との橋渡しができる」「農地を荒廃させないことが一番。荒れた農地では、誰も借りてくれない。一応耕作してあれば、「借りたい」人にさっと「貸す」ことができる」「5年後、10年後の農業について、農業者にアンケートを取ってみると、皆真剣に将来の営農について考えるきっかけになる」など、示唆に富んだ話が続いた。


 続く有原丈二・(株)クボタ機械営業本部技術顧問による「耕作放棄地再生の実際~機械作業を中心として~」の講義では、クボタeプロジェクトの記録を動画で見たあと、クボタeプロジェクトでの実践をふまえて、「放棄地復元では、1)実際の土地の様子、2)灌木類や雑草の発生状況を確認して、機械を選択する。平坦地では、小型や人力の機械が使える場合もある」と話した。


有原丈二・(株)クボタ機械営業本部技術顧問  松岡淳・愛媛大学農学部准教授をコーディネータに迎えたパネルディスカッション


 最後に、松岡淳・愛媛大学農学部准教授がコーディネータを務め、「耕作放棄地の発生防止と再生に向けて」のパネルディスカッションをおこなった。


 三善浩二・中国四国農政局農村振興課長の「耕作放棄地対策の推進について」、滝澤和志・福島県南会津農林事務所副主査の「福島県南会津町の取組事例について」、菅惠志・(有)こんぱら代表取締役社長の「愛媛県今治市の取組事例について」の各発表のあと、1)耕作放棄地発生防止に必要な対応は、2)解消・再生のための課題と方向性について、パネラーが討議した。


滝澤和志・福島県南会津農林事務所  菅惠志・(有)こんぱら代表取締役社長


 「よそのマネでない、自分たちの土地にあった作物を作る」「儲かる農業でないと耕作放棄地を引き受ける人はいない。そして、継続できることが大切だ」「地域の問題としてとりあげれば取り組みやすいだろう」「再生・解消は、村づくりとセットで考えるべき」「農業委員会と普及組織が核となって、連携をはかり進めることが必要だ」など、貴重な意見がたくさん出された。耕作放棄地は、やり方次第で必ず解消・再生できると実感した。(みんなの農業広場事務局)

※1
主催:愛媛県、(社)全国農業改良普及支援協会 
後援:農林水産省中国四国農政局 
協賛:くるみ会(農業機械メーカーグループ)