提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


施設トマト栽培のIPM実証ほ現地検討会を開催(兵庫県稲美町)

2008年06月09日

 6月5日(木)兵庫県稲美町において「平成20年度全国農業システム化研究会IPM実証ほ現地検討会」が開催された。

 県内の普及指導員および関係機関、生産者ら約30名が参加し、兵庫県内での施設トマト栽培におけるIPM(総合的病害虫管理)の取り組み状況の発表と、ほ場見学を行った。


(1)明石農業改良普及センター管内の取り組み
 消費者の「食の安全・安心」へのニーズが高まる中、兵庫県ではひょうご食品認証制度「ひょうご安心ブランド」の推進を行っている。

 化学合成農薬の削減、環境への負荷低減、散布労力の省力などを目指し、明石農業改良普及センターでは、平成19年度から、管内のトマト栽培農家でIPM実証調査を行っている。


 実証区ハウスの周囲には反射資材(タイベック)を敷設し、さらに0.4mm防虫ネット(サンサンネット)がハウスサイド、天窓、入口に展帳され、物理的防除が施されている。コナジラミ類やハモグリバエ類の進入をしっかりと阻止できているが、それでも強制換気や人の出入りの際に害虫の進入が見られた。


実証区ハウス内  ハウス外観
 :実証区ハウス内 / :ハウス外観


 夏場の高温対策としては、循環扇(ボルナドファン等)の設置や強制換気、さらには細霧冷房装置の利用などにより、昇温抑制を図っている。細霧冷房装置は、微生物農薬(マイコタール、ボタニガード)の散布にも利用するなど、有効活用している。微生物農薬はこれまでの農薬同様の使い方で、高い効果と安全性が確認された。今後はより効果的な活用法の検討が望まれている。

 また、黄色粘着板(ホリバー)による発生予察と誘殺も行っており、これらの技術の総合的な組み合わせにより、実証区ハウス内の病害虫発生は常に低レベルで推移することができていた。

循環扇  黄色粘着板
 :循環扇 /  :黄色粘着板


(2)北淡路農業改良普及センター管内の取り組み

 薬剤抵抗性を獲得しやすい微小害虫や、トマト黄化葉巻病を媒介するタバココナジラミの発生に悩まされている北淡路農業改良普及センター管内では、これら問題害虫への対策技術の普及性を検証するため、管内のトマト栽培農家でIPM実証調査を行っている。


 実証区ハウスでは、0.4mmネットをハウスサイドと天窓に展帳し、対象区の1mmネットと比較している。また、実証区では天敵昆虫や微生物農薬による病害虫防除も実施し、化学合成農薬の低減を実現している。

 コナジラミ類、ハモグリバエ類共に実証区での発生数が対象区よりも少なく、特にハモグリバエはほぼ完全に防ぐことができており、効果の高さが確認された。コナジラミ類はハウス出入り口付近での発生が多く、対策の必要性が明らかとなった。


 高温対策としては、細霧冷房と循環扇を活用することで、対象区との最高気温の差は3~5℃程度に抑えることができていたが、収量に波が見られるなど、課題も残った。(みんなの農業広場事務局)

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