提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


「平成19年度全国農業システム化研究会 IPM実証ほ現地検討会」 開催される

2007年05月24日

 5月21日(月)兵庫県内において、「平成19年度全国農業システム化研究会IPM実証ほ現地検討会」が開催された。県内の普及指導員および県内外の農業大学校の教員や生徒ら約50名が参加し、兵庫県内でのIPM(総合的病害虫管理)の取り組み状況について、実際のほ場見学と事例発表等を交えた検討会を行った。


(1)明石農業改良普及センター管内の取り組み
ハウス外観 天窓も防虫ネットを展張している 消費者の「食の安全・安心」へのニーズが高まる中、兵庫県では、平成18年度から、ひょうご食品認証制度「ひょうご安心ブランド」の取り組みを進めている。

 この取り組みとともに、難防除病害への対応や、農薬散布に伴うリスクや労力の軽減等をねらいとして、施設トマト栽培農家でのIPM(総合的病害虫管理技術)実証調査を行っている。

 実証圃を訪れて、まず目に付くのが、防虫ネット(0.4mm)展張、紫外線カットフィルム展張、反射資材(タイベック)敷設など、ハウス周りの物理的防除だ。


 ハウス出入り口からファスナー付きの防虫ネットをくぐると、循環扇(ボルナドファン)の設置(ハウス内環境の改善)や、害虫の発生予察と誘殺のための黄色粘着板(ホリバー)も設置されているのがわかる。


  


 さらに、この圃場では、オンシツツヤコバチ剤(エンストリップ)、イサエアヒメコバチ・ハモグリコマユバチ剤(マイネックス、マイネックス91)などによる天敵を利用した害虫防除と、微生物殺菌剤(ボトキラー水和剤)による病害防除を行っている。

 このように、様々な技術を総合的に駆使して、病害虫(コナジラミ類、ハモグリバエ類、灰色かび病、葉かび病、うどんこ病等)を抑制することに成功しており、慣行区と比べて化学的防除の回数を大幅に減らしている。

 導入コストや技術的ノウハウの蓄積等に課題が残るものの、今後のIPM普及に確かな手応えを感じる内容であった。


(2)兵庫県立農業大学校での取り組み
 同様の取り組みが兵庫県立農業大学校でも行われている。同校では、プロジェクト課題として、栽培から調査までを学生が行うIPM実証(施設トマト・キュウリが対象)を行っている。

 防虫ネット(0.4mm)展張、黄色粘着板(ホリバー)による予察・誘殺、エンストリップとマイネックス91の放飼等、基本的な部分は前述のトマト農家と同様であった。


 同校で収穫されたトマトは、「農大トマト」として地元での評判が高い。直売所では学生の顔写真入りで販売され、また学生自ら直売所に立って販売している。

 今回の視察でも、学生自らがマイクを持ち、実証内容をしっかりと説明していた。まだまだ技術が確立途上の、しかもIPMという難しい研究課題に、学生の彼らが生き生きと取り組んでいる姿が、印象的であった。(みんなの農業広場事務局) 

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