提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


えだまめ生産と機械化一貫体系による集落営農での取り組み(岩手県花巻市)

2007年04月02日

1.花巻市の概要
 岩手県花巻市は、東西に北上山系と奥羽山系が縦走する県の中南部に位置し、市の中央には北上川が流れるなど肥沃な水田地帯が広がっています。また、童話作家であり農業指導者として知られる"宮沢賢治"の生誕の地としても有名です。


岩手県地図


2.機械化への経緯
 花巻市のえだまめは、昭和50年頃の水田転作の導入から始まり、平成5年頃までには最大で272haとなるなど、県内一の産地として確立してきました。しかし、農家の高齢化や転作品目が小麦へ移行するなど、近年では50ha前後にまで落ち込んでいます。
 平成15年に集落水田農業ビジョンが策定されたことを契機に各地域の転作組合では、1)比較的農作業が少ない8月~9月に現金収入が得られる、2)トラクタなど既存の大型機械が利用可能、3)女性や高齢者など地域の労働力も活用可能、4)連作障害回避のためのブロックローテーションが可能、などの条件を満たす園芸品目の検討を行い、その結果、"えだまめ"を再度転作品目として取り入れ、集落営農での大規模機械化を図ることになりました。


3.機械化一貫体系の確立に向けたえだまめ研究会の活動
播種マルチ(AMS-200RW)

 集落営農の中でえだまめを大規模に作付けするためには播種、除草、病害虫防除、収穫・脱莢、調製・包装の各工行程で機械化が必要ですが、その機械の能力や作業精度、労働時間、人員の配置などを既存の機械化体系と比較して検討する必要がありました。また、機械の原価償却費や労働賃金などの経費も考慮して、既存体系と同等の事業利益を得るための経営試算も必要でした。

 そこで、花巻市内で1ha以上の作付けを行っている生産組織5団体と大規模農家2戸で"花巻地方えだまめ研究会"を平成17年に組織し、その中で平均的な生産基盤(気候や土壌性質、作業員数など)を有する姥中生産組合(花巻市太田、平賀勲組合長)の協力を得ながら、中央農業改良普及センターでは機械メーカーや県研究機関と共同して、機械化一貫体系の確立に向け現地実証を行ってきました。
 さらに研究会では、春の作付け計画検討会から会員圃場の相互巡回、先進地視察、冬期間の実績検討会なども行うなど、組織的な活動をしています。


えだまめハーベスタ(GH-3)  えだまめ研究会実績検討会


 その結果、これまでの2年間の機械化実証により、マルチ体系(播種マルチ→ハイクリブーム除草→ハーベスタ収穫・脱莢→調整機・包装機)の経営収支の見通しも明らかとなり、実証圃を担当した生産組合では、平成17年度末に播種マルチが1台が導入されました。 

 また、現在研究会では、一部の行程を別な機械で行うなどの事例はありますが(脱莢:ハーベスタを自動脱莢機で)、全ての会員組織で本体系による作付けが行われています。
本年は、えだまめの生産性をさらに高めるため、研究会の意向を踏まえながら新たな課題の解決に取り組んで行く予定です。(岩手県中央農業改良普及センター 佐藤 喬)
(月刊「日本の農業」2007年3月号(全国農業改良普及支援協会)から一部修正の上転載)



【全国農業システム化研究会の主旨】

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