提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


「耕畜連携による稲わらの飼料利用の取り組み」(島根県益田市)

2007年04月02日

はじめに
 国では、飼料増産運動を進めており、「国産稲わらの完全自給」、「稲発酵粗飼料の作付拡大」、「細断型ロールベーラ作業体系導入によるトウモロコシの作付拡大」、「水田放牧や集約放牧等の導入」、「飼料生産の外部化・組織化の推進」等を推進目標に掲げ、運動を展開しているところです。


 山陰地方では、水田のほ場条件や秋から冬にかけて雨が多いという天候から、稲わらの飼料利用が他県に比べて大きく遅れています。肥育経営で貴重な粗飼料である稲わらは、現在、中国からの輸入がストップされているので、国内産の稲わら確保は大きな課題となっています。一方、水田作では、集落営農組織が中心となり、減農薬米や有機米等の特色ある米づくり生産が進められており、そのための堆肥施用による土づくりに高い関心が集まっています。

 そこで、稲わらの飼料利用を促進させるため、気象条件に左右されにくい稲わらの収集作業体系の実証試験を益田市Y地区において実施しました。


実施状況
 本実証調査では、関係者を集めた実演会も合わせて開催されました(平18年9月29日開催)。収集作業機械体系の実演は、関係者約60名の参加の中、次のような体系によって行われました。


表1 稲わら収集作業機械体系


 今回の実証ほでの実証課題として、耕畜連携体制・収集作業機械体系の確立の外に(1)稲わらの切断長の違いによる(15cmと無切断)回収率・品質・作業性の比較、(2)尿素添加による品質比較(収穫後2週間経過した稲わら)を実証しました。

 品質比較については、稲わらロールを保管中のため、今後、飼料成分分析等を行う予定にしています。回収率と作業性は表2、3のとおりでした。無切断の稲わらは回収率が96%と高かったのですが、天候不順等により、回収できなかった場合、その後の水田へのすき込みに支障がでる等の課題も残りました。



まとめ

  


 今回の収集作業体系は、稲わらロールをラッピングすることで多少、水分含量が高くても飼料として利用できるようにしています。しかし、ラッピング機械の償却及びフィルム等の資材による生産コストの上昇を耕種サイドと畜産サイドがどのように折半して、お互いのメリットとして享受できるかがカギとなるだろうと思われます。
 そのため、耕畜の両者が腹を割った話し合いができるよう、普及組織等の関係機関が調整を行うことが必要だと思われます。
(島根県農業技術センター畜産技術普及グループ 領家 誠)
(月刊「日本の農業」2006年11月号(全国農業改良普及支援協会)から一部加筆修正の上転載)



【全国農業システム化研究会の主旨】

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